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2012年1月20日金曜日

【Mac OSアプリレビュー】待望のApple公式の電子書籍作成アプリ「iBooks Auther」と「iBooks 2.0」でかんたん電子書籍制作

今回は、2012年1月19日にニューヨークで開催された、教育関連のスペシャルイベント「Apple Special Event January 2012」にてリリースされた、無料の電子書籍作成アプリ「iBooks Author」と新しいデジタル教科書を提供する「iBooks 2.0」のレビューです。

まだ全ての機能を使ったわけではありませんが、電子書籍制作の流れとしては、まずMac OSの無料アプリ「iBooks Author」で電子書籍コンテンツを制作します。
※インストールには、OS X Lion 10.7.2以降が必要です。
インスペクタなど、おなじみのインターフェイス
iBooks Author」は、インスペクタ・カラー・フォントなどiWorkシリーズと一貫したインターフェイスのため、Keynoteなどで慣れている方にとっては非常に使いやすいと思います。

また、さすがにInDesignやQuarkからとはいきませんが、PagesやWordからデータをインポートする機能も搭載されているので、ある程度過去の資産も活用できるのではないでしょうか。
様々なウィジェットが簡単に追加できる
電子書籍ならではの機能として「ウィジェット」が簡単に追加できるようになっており、現在「ギャラリー/メディア/練習問題/Keynote/インタラクティブ/3D/HTML」の7つを利用することができます。

このクオリティのアプリが無料で提供されるとは、正直驚きました。
Appleがいかにこの分野に力を入れているかが見て取れます。

そして、電子書籍コンテンツ制作が進んできて、ある程度の段階になったら、Macに接続したiPadにインストールされた「iBooks 2.0」でリアルタイムプレビューを行います。
※リアルタイムプレビューには、iTunes 10.5.3が必要です。

iBooks Author」で制作する電子書籍は、iBookstoreなどを通してiPad向けに配布されることが想定されているので、ここで行うプレビューは、そのまま配布先のiPadでの動作検証になります。

このあたりで、iOSデバイスがAndroidデバイスのように端末種類が多岐に渡っていない優位性が出てきますね。

Android向けに電子書籍をリリースしようと思うと、様々な画面解像度を考慮して制作・検証を行う必要がありますが、iOSデバイスの場合はその手間が段違いです。

特にiPad用であれば、今のところ1機種で検証すればOK。
仮に次期iPadにretinaディスプレイが搭載されたとしても、2つのプロファイルで検証するだけです。
3種類の書き出し形式に対応
電子書籍コンテンツの制作と、iPad実機での検証確認が完了したらデータの書き出しです。

iBooks Author」からの書き出しは「iBooks / PDF / テキスト」に対応しており、「iBooks」形式で書き出した電子書籍は「iBookstore」でのみ販売できます。

iBookstore」での電子書籍販売についての注意点として、MACお宝鑑定団 blogの記事によると、

Appleが、サポート情報「iBooks Author: Publishing and distribution FAQ」を公開し、iBooks Authorで作成したデジタル書籍は、無料の場合Web等で配布出来るが、一部有料あるいは課金方式など、電子書籍を有料販売する場合はiBookstore経由でのみ販売出来ると説明しています。
これは、iBooks Authorの使用許諾契約の中の「重要な通知」の中で太字で記載されています。
著作物を商用配布する場合は、Apple (あるいはAppleの関連会社または子会社)との書面による別途の契約を締結することが必要とされ、Appleは、理由のいかんを問わず、その単独の裁量によりユーザーがiBooks Authorで作成した著作物を配布対象に選定しないと決定することができると明記されています。
また、iBookstoreに登録出来るファイルサイズは2GBまでで、無料の場合は必要無いが、有料の場合は別途サンプル版も用意する必要があるそうです。

ということで、「iBooks Author」で作成した電子書籍は、無料の場合はWebなどで自由に配布できるが、有料で販売する場合は必ず「iBookstore」経由となるそうです。

どんな電子書籍が作れるのか、というサンプルで日本からダウンロードできるのは、無料の「E.O. Wilson's Life on Earth」だけのようですが、サイズが965 MBもあるので注意してください。
※ダウンロード後は、単体アプリではなくiBooksアプリのライブラリに表示されます。

また、「iBooks Author」で制作されたものではありませんが、iPadアプリの「Our Choice」は、「iBooks Author」の原案になったのではないかな?と思うような、とてもインタラクティブな動作をする電子書籍アプリで、サイズも52.6 MBなので興味のある方はぜひどうぞ。

いずれも、電子書籍の新しい世界を拓くもので、これからは従来の紙媒体をスキャンしてPDFにした単純なものだけではなく、iPad独特の直感的な操作によって、映像が流れたり画像が拡大できたりするものが、スタンダードな形になっていくのかも知れませんね。

※価格や機能等は変更になることがありますので、ご注意ください。
※平成24年1月20日現在の情報です。

2011年7月11日月曜日

東京大学がiTunes Uで配信する、マイケル・サンデル「ハーバード白熱教室 in Japan」


先日「第15回 国際電子出版EXPO」に参加した際に知ったのですが、平成22年8月より東京大学がオープンエデュケーションの一環として「iTunes U」で教育リソースの無料公開を行っている中で、昨年東京大学の安田講堂で開催された「ハーバード白熱教室 in Japan」を全編日本語字幕で公開されています。

実際の討論では日本語と英語が混じる中、全編日本語字幕があるおかげで内容が分かりやすく、字幕を見なければリスニングの勉強にもなります。

ビデオ形式なので、全てを一括ダウンロードすると結構な容量になりますが、1章が20〜30分ずつにまとめられているので、ちょっとした空き時間にとても見やすいです。

全部で9章に分かれています
iTunes U上で公開される東京大学のコンテンツは、東京大学で開講される、学生または一般向けの講義ビデオと資料で、その中にはノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊名誉教授、世界的な建築家として著名な安藤忠雄名誉教授による講義も含まれています。

その他にも学部生向け教育プログラム「学術俯瞰講義」や、安田講堂で毎年開かれる「東京大学公開講座」など、東京大学で日々開講される優れた講義の数々をビデオで視聴することができるようです。

東京大学がiTunes UOCW(オープンコースウェア)YouTube EDUなどのサービス上で、講義などの教育リソースを公開する取り組みは、「TREEプロジェクト」という2005年7月にスタートした東京大学教育企画室におけるプロジェクトで、全学的な教育環境リデザインの取り組みが行われています。

東京大学TREEプロジェクト
TREE(Todai Redesigning Educational Environment)

TREEのミッションとして、
1.情報通信技術を活用し、「東京大学の教育の改善」に全学体制で取り組む。
2.情報通信技術を活用した教育環境について最新の研究成果、他大学の動向を把握する。
3.世界のリーディングユニバーシティとして「未来の教育環境のあり方」を社会に広く提案する。
の3点が挙げられ、全学推進体制で取り組まれているそうです。

東京大学iTunes Uでは、開設から3ヶ月間で累計100万ダウンロードを突破し、OCW(オープンコースウェア)のアクセス数も2倍以上になるなど、シナジー効果も生まれているそうです。

東京大学のiTunes Uページ
このように、大学の講義がiTunes上などで配信され、オープン化になっていくことで「知の公共性」がもたらされ、東京大学に在籍していなくても、ある程度の講義を聴くことができる(単位は取れませんが)ようになります。

またこのような「講義のオープン化」は、従来「教える側」が優位であった「学びと教え」のフラット化をもたらし、また、グローバル化により言語の壁を越えれば誰でもどこにいても、知識を得られる「世界的なオープンエデュケーション」の潮流が推進されます。

インターネットの普及に伴い、このような良質な知識が無料で誰にでも手に入ることで、ますます世界共通語としての英語の修得が不可欠になっている事を実感します。