第30回Apple BUは、開催当初から1月は毎年講演をお願いしているイラスティックコンサルタンツ株式会社のiOSデベロッパーである平田 桂一氏に「iOS Developerから見たiPhone/iPad」というタイトルで講演していただきました。
今回の講演内容をレポートします。
まず、iOS App Developer視点でのiPhone/iPadの魅力ということで、タッチデバイスに適した優れたUIで、どんな世代にも使いやすいのが魅力で、90歳の祖父もiPadでTwitterのTLを見ていたのには驚かれたそうです。
開発者はアプリの開発時に「iOSヒューマンインターフェイスガイドライン」を熟読して開発を行うそうで、アプリ開発時のUIの細かい指定にAppleのこだわりが感じられ、Appleの審査にも一定以上のクオリティが求められるようです。
iOSとAndroidの違いとして、デバイスの種類の多さや世代交代のサイクルが挙げられ、Android端末はデバイスの種類も多く、製品リリースのサイクルも早いので、全ての端末に対応するのは困難だが、iOSデバイスはiPhone(iPod touch)とiPadの2機種のみが対象になるので、開発効率が高いそうです。
また、iOSはAndroidに比べて拡張性は少ないが、逆にAndroidは端末によって構成がまちまちなので、例えば端末によってはオサイフケータイ機能を利用できる端末とできない端末が存在するので、アプリの機能によっては全ユーザが使えるアプリになるとは限らないそうです。
2011年末時点でのスマートフォンOSシェア 画像出典:Nielsen |
※Nielsen Mobile Insights調べ
日本でのビジネスシーンでは、iPhone/iPadの導入が圧倒的に多く、どのようなシーンで導入されているかの例を挙げられました。
営業が出先で資料を確認/GPSセンサーを利用したコンテンツ配信/シンクライアント端末として/店舗の在庫検索端末として/生産現場の品質と安全性向上/救急車にiPadを配備/損保査定ツール/飲食店の品質管理に監視カメラとiPad/問診票の記入をiPadに変更して問診時間短縮/医療情報を地域病院で共有してiPad参照/商品の動きを再現し魅力が伝わる営業ツールとしてなど。さらに、最近アメリカでリリースされた「OnLive Desktop」を紹介され、シンクライアントとしてiPad内にWindows 7を動作させ、iPadでWord/Excel/PowerPointが利用できるところをデモされました。
平田氏は「iOSアプリ開発とは、UIの開発である」と語り、アプリ開発の全工程のうち8割はUIやデザインに力を入れているとのことでした。
また、アプリ開発の流れとして、以下のように行われているそうです。
1.おおまかなデザイン案を作成
2.プロジェクト作成
3.InterfaceBuilder、コードの両方でUI作成
4.ビジネスロジックの実装
5.コントローラの実装
6.ビルド&シミュレータで動作確認
7.ビルド&実機で動作確認
最後に、Xcodeを利用したライブコーディングとしてApple BUのアプリを作って頂きました。
アプリの仕様としては、Apple BUのWebサイトより情報を流用し、RSS配信サーバで開催日時・講師名・テーマなどの情報を通知するというものでした。
※当日の参加者の皆さんによる実況ツイートを片田さんに纏めて頂いてますので、こちらからどうぞ。
以上、第30回Apple BUのレポートになります。
イラスティックコンサルタンツ社には、Apple BUスタート当初より本当にお世話になっており、また来年1月のApple BUでも講演頂けると思いますので、ぜひお楽しみに(^^)
※価格や機能等は変更になることがありますので、ご注意ください。
※記事内容は平成24年1月18日現在の情報になります。