2012年3月6日火曜日

【イベントレポート】Apple Storeスペシャルイベント「医療現場から学ぶ、想いが届くプレゼンテーション」

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今回は、Apple Store 福岡天神で開催されたスペシャルイベントの開催レポートです。

イベント主催は神戸大学 杉本先生で、タイトルは「医療現場から学ぶ、想いが届くプレゼンテーション」でした。

まずは杉本先生が1時間の講演。

Presentation is a Present」ということで、プレゼンは相手に対する贈り物。つまりプレゼントと同じで、ただ相手にあげるだけが目的でなく、相手に何を伝えるのか、どう伝えるのか、伝えた後にどう感じてもらい、その後自分との関わりがどうなるのかを考えるのが大切ということでした。

プレゼンテーションでWeb検索すると、ヒットするのはプレゼンのスキルに関する話題ばかりだが、プレゼンで重要なのはスキルではなくアプローチが重要ということで、ガー・レイノルズ氏のPrezentation Zenのお話と、氏のTED×Tokyoでのプレゼン「Lessons from the bamboo」を紹介されました。
次に「プレゼンテーション思考」について。

プレゼンテーション思考とは、セミナーや会議でメモを取る時などは、ただ文字のメモをとるのではなく、自分が他人にその聴講する内容でプレゼンを行うことを前提でメモをとってみる。こういう内容でプレゼンすると分かりやすいなと考えながらメモしてみること。

また、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズのプレゼンを例に出して比較され、文字を詰め込み過ぎて見辛いプレゼンを作るのではなく、自分自身がプレゼンテーションなんだという気持ちで行う方が良いとのことでした。

プレゼン自体も、Macの画面を見ながらMacに向かって話しかけるのではなく、観客を見て会話(=対話)するよう心がけると良いとのことで、Mac本体も講演者の目の前に置くのではなく、できるだけ目立たない場所に配置。

スライドに情報を詰め込み過ぎるのではなく、スライドはできるだけ簡素にして、詳細情報は配布資料などで対応する方がプレゼンとしては好ましいとのことでした。

プレゼンで重要なポイントは、「Prepare(準備)/Design(デザイン)/Delivery(伝え方)」のバランスが重要で、デザインでは文字を羅列したスライドよりも写真や映像を効果的に利用したものが良く、伝え方では実際のプレゼンでの話し方や立ち居振る舞いで、できるだけ笑顔を心がけて身振り手振りを取り入れる。など紹介されました。
TEDロゴ
画像出展:TED
次に「TED」について。

TEDとは、Technology Entertainment Designの略。TEDxのxはExtra
TEDのメインテーマは「広める価値のあるアイディア」ということで、年に一度開催されており利益追求が目的ではなく、共有とコミュニケーションが目的なのが一般的な講演会との違いのようです。

TEDでのプレゼンは後日全て公開されるものの、TED自体は招待制のイベントなので自由に参加できず敷居が高いので、TEDの分科会とも言うべきTEDxが設立されたそうです。

また、「裸踊り」で有名なTEDの「How to start the movement」を上映し、ムーブメントの起こし方について説明され、誰も踊っていないライブ会場で、裸踊りのムーブメントを起こすのに重要な「最初の何人かのフォロワーを対等に扱うこと」の重要性についてご紹介されました。
杉本先生は「TED×Osaka」の開催にも尽力されており、今年は4月28日に開催予定で、2012年のテーマは「Open / Connect / Smiles」ということでした。

最後にOne more tipsということで、Bruce Leeの言葉「Be water, my friend. 」を引用され、「水を入れるからコップになる。紅茶を入れたらティーカップになる。水のようなプレゼンを心がけましょう」と締めくくられました。
次に、佐賀県庁の円城寺さんが30分間プレゼンされました。

円城寺さんは、佐賀県 健康福祉本部 医務課 医療支援担当主査。
まず佐賀県の紹介ビデオ「THREE MINUTE TRIP TO SAGA」を上映されました。
このビデオのテーマは"Avant-garde Country Side(アバンギャルド・カントリーサイド/挑戦する田舎)"ということで、倉成英俊氏、向井秀徳氏ほか、佐賀県出身のトップクリエイターが佐賀の魅力と可能性を表現されたものです。

現在、佐賀県は県内全ての救急車55台にiPadを搭載しているそうです。
そうなった経緯について説明されました。

まず近年、全国的に救急車搬送先の受入拒否によるたらい回しなどの問題が発生しており、佐賀県では特に三次医療機関への救急搬送が10年間で約2倍に増えており、救急搬送に係る時間平均もそれに伴って約10分伸びているという事実があり、これを改善するにはどのようにしたら良いか、円城寺さんは考えられたそうです。

まずは現場主義ということで、実際に救急車に乗ってみて、現状の問題点と解決策を探してみられたそうです。

そこで救急医療現場で見たものとして、受入先の医療機関を電話で必死で探す救急隊員の姿と、不眠不休で患者の治療を行う救命医師の姿だったそうです。
iPadを救急車に搭載した経緯などについて
実際に現場を見て問題点が分かったら、解決策としての「あるべき姿」を模索されたそうです。

今回は医療の「見える化」が必要だったため、救急現場と医療機関の連携のために、ITCシステムとiPadデバイスの活用を考えられました。

まず救急車の中には、情報を発信する機材が電話しかなかったので、まず救急車にノートパソコンを持ち込んでみたそうです。

すると、現場の方から「大きすぎる、入力に時間がかかる、壊れるリスクが高い」などの声があって不採用になってしまいました。

また、実際に15年程前も、救急車の中にパソコンを搭載したことがあったが、当時のパソコンと通信速度の問題で、全く使い物にならなかった経験があったそうです。

一方それならと提案してみたスマートフォンでは「小さすぎる、入力に時間がかかる、遊んでいるように見える」という意見から、絶対にダメということになってしまいました。

そんな時にタイミングよくiPadが登場し、「話題性、操作性、汎用性」などが良いとのことで導入が進んでいったそうです。

しかしそこにたちはだかる数々の課題があったそうです。
例えば、予算(お金がない)、購入(佐賀ではiPadを売ってなかった)、知識(携帯はガラケー、家にパソコンすら持っていないので活用方法が分からない)、反発(ただでさえ忙しい救急現場にまた負担を強いるのか)など。

最後に、そんな状況の中でiPadの導入が実現するに至り、それまで円城寺さんがたくさんの担当者にiPad導入に向けたプレゼンや行動をしていくに当たってのポイントとして「問題や悩みに向きあう情熱を持つ」「課題や問題を共有する」「人は権限ではなく、感動で動く」などを挙げられました。
トークショー形式で参加者との対話など
そして円城寺さんのプレゼンの後は、私も交えての3人での30分トークセッション。
さらに、参加者から意見交換を行ったり質疑応答をして、ただ一方的にプレゼンターが話すのではなく、参加者と一緒に議論するようなスタイルで行われました。

とても有意義な時間で、私もあっという間の2時間でした。
参加者からのツイートでも沢山の良い反応を頂き、また、休日にも関わらずご参加頂き本当にありがとうございました(^^)

また杉本先生も円城寺さんも様々な場所で講演をされていらっしゃいますので、今回の内容に興味を持たれた方は、ぜひお二人の講演もご覧になってみてください。



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※平成24年3月6日現在の情報です。