2012年8月28日火曜日

【Apple BUレポート】第37回「Apple BUスタートからの3年間で起きた様々な変化」講師:川原 健司・片田 良一(Apple BUスタッフ)

2012年8月22日(水)19:00~20:00に、Apple Store 福岡天神にて第37回となるApple BUを開催しました。

第37回Apple BUは、Apple BUスタートから3周年ということで「Apple BUスタートからの3年間で起きた様々な変化」というタイトルでApple BUスタッフの川原と片田でお届けしました。

当日のkeynoteスライドに沿って、今回の講演内容をレポートします。
まずApple BUがスタートした3年前の2009年当時、Apple関連ではどのようなニュースがあったのでしょうか?

ということで6月のiPhone 3GSとiOS 3.0のリリース。それに8月にMac OS X 10.6 Snow Leopardの発売を取り上げました。

片田さんはiPhone 3Gから、私はiPhone 3GSからiPhoneを使い始めたということで、実は現在これだけ一般的になっているiPhoneも、日本で発売されたのはほんの数年前で、爆発的な勢いで広まったことが分かります。
さらに、2009年当時の話題や流行の一つとして、当時AUGMではおなじみだったPokenBumpを取り上げました。

紙の名刺に取って代わるものとして、様々なサービスが試行錯誤されてきた頃であり、IT系の集まりなどではPokenユーザが集まる機会も少なくありませんでした。
そして3年後の2012年現在、残念ながら紙の名刺に完全に取って代わるのは依然難しく、ビジネスシーンでは今でも紙名刺は必須となっています。

しかし、iPhoneアプリで名刺をスキャンして登録したり、FacebookやTwitterなどのSNSにより、名刺の情報よりも詳しく自分の紹介をできる環境が整ってきているように感じます。
特に今回は紙の名刺をiPhoneのカメラで撮影してスキャン&解析して、連絡先アプリにデータをエクスポートする「WorldCard mobile」をデモで紹介しました。

このWorldCardは、第2回のApple BUで私が紹介したもの(当時はiPhoneアプリはなく小型スキャナでした)で、当時から比較しても文字解析の精度が向上していっていることや、常に最新のOSに対応していることを挙げ、同機能のアプリの中では信頼性があることを紹介しました。
また、2009年当時の話題や流行のもう一つの例として「セカイカメラ」を取り上げ、当時画期的だったAR(Augmented Reality)技術の最先端としてリリースされたこのアプリ。

起動してiPhone越しに世界を見ると、他のユーザが作った様々なタグが表示され、その場所に応じた様々なコンテンツが見れるということで、東京に行った時に使ってみると画面がタグだらけになってしまうほどでした。
そして3年後の2012年現在、このAR技術は日々進化しており、例えばAR技術を利用したカタログなどが作られています。

今回はIKEAeneloopのカタログを取り上げました。
それぞれ紙のカタログの中にARポイントが設定されており、対応したアプリを通してカタログを見ることで、紙では伝えることのできない動画や音声など様々なコンテンツにアクセスできるようになります。
 IKEAカタログで実際にデモを行ってみました。
今回私が紙カタログを持っていなかったので、iPadでカタログを映しておいて、iPhoneの IKEAアプリでスキャンしていきましたが、デモの部分は撮影していないので、下の映像で雰囲気をお楽しみください。
そういえば、少し前からApple Storeでのイベントは、講演者用ディスプレイが「Apple TV+液晶テレビ」のAirPlay構成になったのですが、これは本当に便利で、例えばMacのKeynoteからiPadのデモに画面を切り替える時に、ケーブルを毎回繋げ変える必要がありません。

長崎アップルユーザグループの定例会でもこの方式に切り替えましたが、MacにOS X 10.8 MountainLionをインストールされている方で、Apple TVをお持ちの方はぜひ一度お試しください(^^)
次に2010年のApple関連のニュースを取り上げました。
5月のiPad発売、6月のiPhone 4の発売とiOS 4.0のリリース、さらに10月にOS X 10.7 Lionの発売と盛りだくさんですね。

特にiPadの発売は衝撃でした。
発売当初は、iPhoneの画面サイズが大きくなっただけ等のネガティブな意見もありましたが、現在は特にビジネスシーンでiPadが導入されるケースが数多くあり、スマートフォンとラップトップの特徴を兼ね備えたデバイスとして評価されています。
iPadの導入事例としては、枚挙に暇がなく医療業界・自動車業界・美容業界・アパレル業界・旅行業界・音楽業界・教育業界など、本当に様々なシーンでそれぞれのニーズに合った活用がされています。
そのような活用事例を調べるWebサイトとして「マイナビニュース」さんをご紹介しました。
私もいつもチェックしており、取材に基づく活用事例はとても読み応えがあります。
次に2011年のApple関連のニュースとして、3月のiPad 2発売、10月のiPhone 4S発売とiOS 5.0リリース、さらにiCloudのスタートを取り上げました。

特にiCloudは、.MacやMobileMeを経てAppleが構築してきたクラウドサービスで、iPhoneやiPadがiCloudを基幹サービスとすることで、母艦となるMacやPCが必要なくなるという意味でも大きなインパクトがありました。
iCloudの登場と同時期に、様々なクラウドサービスが登場し、特にiPhoneやiPadとの親和性の高いEvernoteDropBoxなどは定番アプリとして定着しています。

また、個人所有のハードディスクを簡単にクラウド化するPogoplugのようなパーソナルクラウドサービスも進化しており、用途に合わせてサービスを使い分けるようになってきました。

使い分けという意味では、Microsoftが提供するSkyDriveやGoogleが提供するGoogle Driveも機能的には同じようなことができるクラウドサービスですが、それぞれブラウザ操作でWordやExcelなどのOffice書類が閲覧・編集できることから、注目されています。

特にSkyDriveは、Apple BUの開催前日にOffice Web Appsのプレビュー版がiPadでも提供開始され、今まで有料のOffice 365でしか利用できなかったOffice Web AppsがiPadで使えるようになりました。
電子書籍関連も2011年頃から急速に広まり、iPhone/iPadのiBooksを始め様々なアプリがリリースされ、ePUB形式やPDF、HTML5などの技術で多くの電子書籍がリリースされています。

また、iPad専用ではありますがPagesのように簡単に電子書籍を作成できるiBooks Authorの登場や、電子書籍ストアであるビューンKinoppyなどのラインナップが日々増えていることなどを取り上げました。
そして2012年のApple関連のニュースとして、3月の新しいiPadの発売、7月のOS X 10.8 Mountain Lionの発売を取り上げ、今年の後半には新しいiPhoneが発売されるのではないか?としました。
最後に、過去3年間を振り返ってきて、また今後もApple BUが継続していくことを願って、3年後である2015年の未来について予想してみました。

OSのアップデートや技術革新など、ある程度現実味のありそうな勝手予想を3つ。
これを3年後のApple BUでどうなったか検証してみるのが目標です(^^)
まず一つ目は「iPhone一台あれば財布もポイントカードも不要!」です。

おサイフケータイの技術はすでにありますが、次期iOSで公開されるPassbookに注目し、iPhoneにNFC技術が搭載されることで、クレジットカードはもちろん、財布の中の色々なポイントカードの山がiPhone一台に集約されると良いな。という個人的な希望もあります。
そして二つ目は「iPhone/iPadが同時通訳!世界は言葉の壁を超えた」です。

現在iOSに搭載されているSiriなどの音声認識機能が発展し、言語解析して自動的に同時通訳。
すでにVoiceTraなどのアプリもリリースされていますが、将来的には世界の主要言語にiOSがデフォルトで対応すると予想。

世界中のどんな方とでも、テーブルの上にiPhoneを置いて座るだけで、同時通訳で自然に対話することができる。遠くない将来に可能になるのではと期待しています。
そして三つ目が「次世代デバイスiWatch!!」です。

ありきたりなネーミングへのツッコミは置いておくとして、この3番目は片田氏と講演直前まで考えていました。果たして今のiPhoneは究極の理想形なのか?と。

もちろん現時点でiPhoneが最高のプロダクトであることは疑う余地がありませんが、3年後の未来を考えた時にずっとこのままとは考えられません。

これまでAppleは「引き算のデザイン」によって進化を遂げてきました。
ある時はフロッピーディスクを削り、またある時は不要なボタンを。さらにはマウスや有線LANケーブルなど、削るのは無理と思われてきた物でさえ引き算してきました。

今のiPhoneで引き算できるもの。私と片田さんは「画面やキーボード・バッテリー」を挙げました。これらを削ることでiPhoneはより小型になり、腕時計レベルにまでなれば常に身に着けておくことができます。

例えば3年後、AR技術ホログラム投影技術が進化することで、液晶画面の物理的なサイズは必要なくなり、仮想的な画面を何もない空間に3Dで投影・操作できるようになるかも知れません。

また、Siriの進化により音声入力がメインになることで、キーボード入力の機会が減っているかも知れません。

バッテリーは一番難しい問題ですが、ワイヤレス充電の技術が進化しているので、将来的にケーブルレスで充電が可能になり、また街中での無線LANスポットのように有料のワイヤレス充電スポットが増えることで、バッテリー切れの心配が不要になるかも知れません。

ということで、様々な技術革新の課題はあるものの、私達は三つ目にiWatchというコンセプトプロダクトを予想してみました。
3年という期間は短いようで、様々な技術革新や革命的なデバイスの登場が充分に起こり得る期間でもあります。現に3年前にiPadは存在していませんでした。

これまで3年間Apple BUに関わって頂いた全ての方々に感謝し、また、これから先もApple BUを通して様々なビジネスシーンでのAppleプロダクトの活用方法を追求していければと考えています。



以上、第37回Apple BUのレポートになります。

※価格や機能等は変更になることがありますので、ご注意ください。
※記事内容は平成24年8月28日現在の情報になります。